2014/11/1 土曜日

「SOS地底より」伊東信・作 横山明・絵

カテゴリー: プライベート,読書関連 — hirayama @ 20:38:10 

「SOS地底より」伊東信・作 横山明・絵

取り寄せていた絶版本「SOS地底より」が届きました。

こう見えて小・中学校のころは読書少年で貸出本数・校内圧倒的ナンバーワンだった私。
雑誌編集者や週刊誌記者ではなくて、本当は絵本とか児童書の編集者になりたかったのです。

「カマドウマ」「桐原(切り腹)」「地下壕」「麻薬団」というキーワードでピンとくる人は、この本を一読した経験のある人だと思います。

今ではおそらくアウトな内容で(それが絶版の理由でしょうが)、鉄道会社の労組の分会長をやっていた主人公の父親が大きな借金をつくってマイホームを建てた多摩丘陵の新興住宅地の地下は、朝鮮人強制労働者によってつくられた地下壕が張り巡らされていて、大麻薬団のアジトになっている・・・という無茶苦茶なストーリーです。

冒険小説のかたちをとっていてわたしも純粋にそれを楽しんだのですが、今見ると内容は戦争反対などのメッセージ性も多く含んでいます。
「関東ローム層」とか子どもが理解できるかどうかなんてお構いなしに高度な単語も多く出現します(笑)
そしてラストには主人公たちが、防空壕で朝鮮人強制労働者が岩に刻んだ「朝鮮人の血、涙、怒りを、ここに埋める」という文字を見つけるシーンが・・・

「表現者」の気迫が、子ども心に忘れられない何かを刻み付けたのでしょう。

そういえば「ズッコケ三人組」シリーズにも戦争問題に触れた思想的な回があった気がします。地下ものといえば天才犯罪者・大曽根が東京の地下に狂気の国「大暗室」をつくる江戸川乱歩の「大暗室」もなぜか図書室にありました。

深みと骨のある表現者も少なくなった気がしますし、多様性と寛容のある場も少なくなった気がします。

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3 Comments »

  1. Comment by つよぽん (@tsuyopon_com) — 2014/11/1 土曜日 @ 20:38:11

  2. Comment by @NEeNoo3 — 2015/10/28 水曜日 @ 23:43:05

  3. Comment by 匿名 — 2016/8/18 木曜日 @ 18:15:53

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